メールマガジンアーカイブ(2026年7月)

※本記事は、2026年7月に、顧問先様へ配信したメールマガジンのアーカイブです。

万和法律事務所の弁護士福本・中島・千代・中尾です。

今回のメールマガジンでは、中小企業の「人財戦略」に関するニュースを題材に、採用後の労務管理の整備についてご紹介します。

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続く採用難、人財の定着・育成が競争力の源泉に 大同生命保険の中小企業調査、求められる「収益構造の転換」

大同生命保険(大阪市)は全国の中小企業経営者を対象に、景況感に加えさまざまなテーマを設定したアンケート調査「大同生命サーベイ」を2015年10月から毎月実施している。2026年5月度は「中小企業の人財戦略・物価上昇の経営への影響」をテーマに調査を行い、結果をこのほど公表した。調査は全国の5068社の中小企業経営者を対象に、5月1日~28日にかけて、訪問、またはZoom面談で行った。

(中略)

■半数が採用活動を行うも、7割は人数が充足せず

 2025年度の人財採用については、約半数の企業が「採用活動を行っている」と回答したが、そのうち約7割の企業が、採用人数が充足しておらず、採用活動に苦慮している。従業員規模別では「21人以上」の企業の約9割が採用活動を行っているにもかかわらず、6割以上で「採用できたが不足」または「採用できなかった」ことが分かった。

 2026年度の人財採用については「採用予定(既に採用)」と回答した企業は24%。「検討中」(25%)も合わせると、約半数の49%企業で採用意向があった。従業員規模別では「11~20人以上」の企業で73%、「21人以上」の企業では87%の企業で「採用意向あり」と回答しており、中小企業でも人財採用が活発に行われていることがうかがえた。

 人手不足への対応策は、「充足していない」企業も「充足している」企業も、上位3位は「採用条件(賃金・処遇等)の改善」(38%、30%)、「従業員のリスキリング(資格・技術などの習得)」(32%、27%)、「従業員のマルチタスク(同じ人が複数業務を担当)」(29%、26%)だった。

 人財確保・人財育成に関して経営者たちからの自由回答では、「就業条件を柔軟化して幅広い人財を確保することで工夫している」(サービス業・東京)、「従業員の国家資格取得支援を行っている。また、賃金や労働条件を見直したことで採用状況が改善した」(建設業・兵庫)、「障がい者雇用を進め事業拡大」(サービス業・愛媛)、「地元の工業高校や職業訓練校と連携して人財を確保している」(建設業・沖縄)などの取り組みが寄せられた。

(出典:株式会社共同通信社ニュースサイト・2026年7月7日配信記事)

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さて、この調査からは、多くの中小企業が「採用の難しさ」と同時に「採用した人財にいかに定着してもらうか」という課題に直面している様子がうかがえます。

苦労して採用した人財にできるだけ長く活躍していただくためには、賃金・処遇の改善や育成の仕組みづくりももちろん重要ですが、その土台として見落とされがちなのが、労働条件を明確に定めた「雇用契約書」と、職場のルールを定めた「就業規則」の整備です。

採用後に生じる労使間のトラブルの多くは、「言った・言わない」「聞いていない」といった、労働条件やルールの認識のズレから発生します。例えば、次のような場面です。

・入社時に説明したはずの試用期間や賃金の内容について、後から食い違いが生じた

・固定残業代(みなし残業代)を支払っているつもりが、要件を満たしておらず、別途割増賃金を請求された

・遅刻や無断欠勤、業務上の非違行為に対して注意・処分をしたいが、就業規則に根拠がなく対応に苦慮した

・問題社員に退職を促したいが、解雇のルールが不明確でトラブルに発展した

こうした問題は、採用時にきちんとした雇用契約書を取り交わし、実態に合った就業規則を整備しておくことで、その多くを未然に防ぐことができます。逆に、書面の整備が不十分なまま人員を増やしていくと、従業員が増えるにつれてトラブルの芽も増え、後々大きな紛争に発展しかねません。せっかく採用した人財が定着せず、あるいは紛争によって職場全体の士気が下がってしまえば、人手不足はますます深刻になってしまいます。

当事務所では、顧問先の皆様の事業内容や実際の労務の実態に即して、

・採用時に取り交わす雇用契約書(労働条件通知書)の作成・チェック

・自社の実態に合った就業規則および各種規程(賃金規程、退職金規程、ハラスメント防止規程等)の新規作成・見直し

・固定残業代制度や試用期間などの制度設計に関するご相談

などを、幅広くサポートしております。

「今のひな型で問題ないか一度見てほしい」「これから人を増やすので基本的なところから整えたい」といったご相談も、もちろん歓迎いたします。

人財の定着と、安心して人を採用できる体制づくりのために、雇用契約書・就業規則の整備をご検討されてはいかがでしょうか。

ご不明な点やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

(文責:弁護士 中尾二郎)

※本メールマガジンの転載、紹介は可能です。但し、全文を必ず掲載して下さい。