メールマガジンアーカイブ(2026年1月)

※本記事は,2026年1月に,顧問先様へ配信したメールマガジンのアーカイブです。

皆様

万和法律事務所の弁護士福本・中島・千代です。

今回のメールマガジンでは、本年最初の配信として、法務面で、2026年に変わることについてご紹介します。

主だった法律の改正・施行でいえば、以下のようなものがあります。

  1月 下請法(改正)

  4月 物流効率化法(改正)

  5月 薬機法(改正)、事業性融資推進法施行

 10月 労働施策総合推進法改正(カスハラ対策法)

 12月 公益通報者保護法(改正)

この中でも、皆様もご存知の方も多いかと思われますが、今月より、改正下請法が施行されています。

 「下請」という表現が上下関係を想起させるとして、「下請」とのワードを外し、法律の名前自体が「製造委託等に係る中小受委託事業者に対する代金の支払の遅延に関する法律」へと変更されています。

 公正取引委員会は、通称として、「取適法」(とりてきほう)と呼ぶことを想定しているようですが、よりイメージしやすい名称として、「中小受託法」といった名称で今後は定着するかもしれません。

 法律の名前とともに、法律内で使われていた名称も以下のように変更となっています。

  「親事業者」→「委託事業者」

  「下請事業者」→「中小受託事業者」

  「下請代金」→「製造委託等代金」

 それでは、具体的に、下請法改め取適法は、どのように変更になるのか、以下では、主要な点をご紹介します。

1 適用対象となる事業者の見直し

  これまで適用対象となる基準として資本金基準が設けられていました。

  改正法では、従業員数による基準が設けられ、常時使用する従業員数が、製造委託等の場合には300人、役務提供委託等の場合には100人がそれぞれ基準となっています(従来通り、資本金基準も残っています)。

2 禁止行為の追加

  一例として、新たに、以下のような行為が禁止行為に当たるとされています(改正法が施行される令和8年1月1日以降に発注した適用対象取引に適用されます)。

 ① 協議に応じない一方的な代金決定の禁止

   委託事業者が、中小受託事業者からの価格協議の求めに応じずに、一方的に代金を決定することは違反となります。

 ② 手形等の禁止

   手形による代金の支払は、「支払遅延」に該当するものとして、違反となります。

   電子記録債権やファクタリングを使用する場合にも、支払期日(最長で、発注した物品等を受領した日から60日以内)までに代金満額相当の現金を得ることが困難なものも、「支払遅延」に該当するものとして、違反になります。

 ③ 振込手数料を負担させることの禁止

   合意の有無にかかわらず、振込手数料を中小受託事業者に負担させ、製造委託等代金から差し引くことは、「減額」に当たるものとして、違反になります。

日々、取引をされる中で、不当な扱いを受けた、あるいは、不当な扱いをしてしまったのではないか、といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、 今回の下請法の改正に伴って、取引の内容や契約の内容を見直す必要が出てくるという場面もあろうかと思われます。

今回ご紹介した下請法(取適法)をはじめ、フリーランス保護法など、取引条件に関するご不安を感じられる場面がありましたら、ご遠慮なくご相談いただけますと幸いです。

今後も本メールマガジンでは、法律の改正や新しい法律の制定などがあれば、配信していきたいと考えております。

(文責:弁護士 千代 明寛)

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