メールマガジンアーカイブ(2025年11月)
※本記事は、2025年11月に、顧問先様へ配信したメールマガジンのアーカイブです。
皆様
万和法律事務所の弁護士福本・中島・千代です。
今回のメールマガジンでは、著作物の二次利用に関する記事についてご紹介します。
———————————-以下引用————————————
カプコンが「二次創作ガイドライン」を発表。ユーザーの創作活動を応援する方針。営利目的は認めないものの、同人誌即売会など趣味の範囲であり少量・少額であれば例外的に許容
カプコンは11月5日、同社が所有する知的財産を基にした二次創作について、ユーザーへ向けた「カプコン二次創作ガイドライン」を発表した。同時に『ロックマン』シリーズに登場するロールちゃんがロックマンを描く可愛らしいイラストなども公開されている。
本ガイドラインの対象は「個人」または「法人格を持たない団体」。同社はユーザーの創作活動を応援しており、ガイドラインを遵守した創作活動について連絡は不要としている。
二次創作の対象となる作品は、同社の著作物を基に作成したイラスト、マンガ、ゲーム、小説、立体作品、音楽、コスプレ衣装や写真、動画など。
ゲームプレイ動画の使用については、別途で「カプコン動画ガイドライン」が公開されているため、そちらを参照する必要がある。
ガイドラインによれば、営利目的での二次創作の利用は認めていない。一方、この場合でも同人誌即売会など趣味の範囲であり、少量・少額であれば例外的に許容するという。
趣味の範囲に該当するかどうかは同社が判断を行うようだ。具体的な基準については回答できないとしているほか、フィギュア・ガレージキットの有償販売についても別途でガイドラインが定められている。
(令和7年11月5日配信 電ファミニコゲーマー より引用)
———————————-引用ここまで————————————
ある著作物(例えば、アニメや漫画のキャラクターなど)をもとにイラストを作成し、そのイラストをSNSで公開したとします。元の著作物の権利者に無断で公開したとなると、著作権の侵害となる可能性があります。
「著作権」という言葉自体をお聞きになられた方も多いかと思いますが、この「著作権」は、いくつかの権利をまとめた言葉となっています。例を挙げますと、複製権(=著作物を複製する権利。著作権法21条)、上演・演奏権(=著作物を公に上演したり演奏したりする権利。著作権法22条)のほか、翻案権(=著作物をもとに内容や表現を変えて新しい作品として作り上げる権利。著作権法27条)などがあります。
冒頭に記載しましたイラストを作成して公開したという例をとってみますと、元のキャラクターをそっくりそのまま書き写したイラストを作成して公表したということであれば、複製権の侵害となる可能性があり、アレンジを加えたイラストを作成して公表したということであれば、翻案権の侵害となる可能性があります。
著作権法違反となった場合、損害賠償請求となる可能性があり、刑事責任にまで発展する可能性もあります。ただ、刑事責任との関係では、著作権法の多くの分野で、親告罪とされていて、被害者等から告訴がなければ、刑事責任まで発展しないということとなっています。
今回ご紹介しました記事では、カプコン社が、ガイドラインを策定し、飽くまでもカプコン社が権利者となる場合に限られますが、カプコン社が著作権侵害として問わない範囲というものを示しました。いわば、カプコン社として、「この範囲であれば、民事でも刑事でも不問とする。」という範囲を示したということとなります。
上記ではイラスト作成を例に挙げましたが、営業ツールとしてキャラクターや著名人の写真を使いたい、あるいは社内研修である資料を引用したい、といったご要望は日々あるのではないでしょうか。
このような場合に、著作権法をはじめとする知的財産法との関係で問題とならないか、そのようなご不安を感じられる場面がありましたら、ご遠慮なくご相談いただけますと幸いです。
(文責:弁護士 千代 明寛)
※本メールマガジンの転載、紹介は可能です。但し、全文を必ず掲載して下さい。

